カテゴリ
以前の記事
2008年 11月 2008年 03月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 バックナンバーはこちら
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 06月 02日
過去の古傷というものが妙な形で現れるものだと、他人ごとのように感心していたりする。 癒えていた筈の傷はしっかりと自分の奥底に根付き、 いつの間にか私の感情に影響を及ぼす数少ない起爆剤のひとつになっていたようだ。 今は何もかも違う。 あの頃とは何もかも。 もう私を傷つけた人はいないし、 私が危惧するようなことだって何もない。 わかってる。 けれども時間の経過なんてカレンダーや新聞紙くらいでしか確認できなくて、 結局時代の経過を実感させるのは、隣にいる人や取り巻く環境の変化だったりする。 ひとりぼっちになったとき、今は今なんだと、過去は過去なんだと、 時を隔ててくれるのは、自分の記憶だけという頼りなさ。 暗い室内、羽毛布団の感触、独りだと実感させる小さな温もりは、こんなにも不変だ。 あの頃と違うのは、肌の弾力と携帯電話のデザインくらい。 手に取れる確かなものは大きく変わらず、この不変さは私をたちまち過去に引きずり戻す。 あの頃の不安と、孤独と、小さな絶望に似た感情が、リアルすぎる程に私を蝕んでいく。 今は何もかも違う。 あの頃とは何もかも。 電話を切り終わったとき、私はそれを確認する。 わかってる筈なのに、といつも思う。 こんな過去と今との往復を、あと何度すれば終わるのだろうかと、 次々に模様替えをする携帯電話を見つめては、未来の自分を軽く案じる。 こんなタイムマシーンなんて、欲しくなかった。
by mmamiki
| 2006-06-02 18:20
| story
|
ファン申請 |
||