カテゴリ
以前の記事
2008年 11月 2008年 03月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 バックナンバーはこちら
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 10月 31日
小さな少女は、波打ち際に砂の城を創った。 明日はもっと高く、そして花飾りもつけようと考えた。 でも潮は満ち、容赦なく城を流し去った。 そして彼女はオトナになった。 小さな少年は、雪を集めて自分だけの基地を創った。 翌年に備えて、布団やお菓子やゲームを持ち込んだ。 けれど季節は巡り、太陽はそこを簡単に更地にした。 そして彼はオトナになった。 行き場のない彼と彼女は、 今も波打ち際に、そして降りしきる雪の中にいる。 そして言うんだ。「そんなところに何かを築くのは馬鹿らしい」と。 だから二人はただそこに立ち尽くしている。 ただただ立ち尽くしている。 船が来るまで。そして春が来るまで。 そんな風にオトナになり、虚しさの代わりに無感動を手に入れた。 そしてただただ待っている。 船が来るまで。そして春が来るまで。 自分の居場所が見つかるまで。
by mmamiki
| 2006-10-31 14:07
| story
|
ファン申請 |
||